レイプによる妊娠は、あらゆる中絶を100%正当化するために使われる1%の例外的な中絶理由であり、私の存在理由である。



Conceived in rape, I am the 1 percent used to justify 100 percent of abortions (Ryan Bomberger ライアン・ボンバーガー)


アイオワ、ケンタッキー、ミシシッピ、オハイオ、ジョージア、アラバマ。この6つの州に共通するものは何だろうか?「勇気」そして「慈しみ」だ。「心臓の鼓動法案」を成立させたこれらの州では(まもなくミズーリとルイジアナも加わる見込み)、産まれる前の子どもの心臓から心音が確認される時点で中絶という残忍な行為が違法とされることになったのだ。


おかしなことに主要マスメディアは判で押したようにこれを男と女の政治闘争に仕立てようとする(またおかしなことに普段は性の多様性などと言いながら、ここでは男と女の2つ以外に性はないと認めてしまっている)。マスメディアは、この闘争におけるプロライフ女性たちの存在を、数多くのプロライフ団体を組織し各州で中絶という暴力を拒絶する法案づくりのためにたたかっている女性たちの存在を無視するのである。


ツイッターを開けてみれば、そこらじゅう中絶推進主義者たちによるツイートが拡散している。(すべて大文字で)子宮がない者は、何も言うな!!!(NO UTERUS, NO SAY!!!)マジっすか。 ロー対ウェイドおよびドー対ボルトンという暴力の発端をもたらした黒い法服の7人は白人の男だったんじゃないの? 想うに、あれこそ「圧政」の受容以外のなにものでもないだろう。


CBSニュースは「アラバマは中絶を犯罪としてしまった―それを支持した賛成票はすべて白人男性によるもの」と嘆く。なんてことだ!白人男性が政治家になることが犯罪だなんて知らなかったぞ。

ちょっと待って。女性の参政権を認めたアメリカ合衆国憲法修正第19条を成立させたのは全員白人男性(共和党白人男性の91%と民主党白人男性の60%)じゃなかったのかな?

USAトゥデイは「アラバマで25名の男性が中絶反対に票を投じた。彼らはアメリカのすべてを代表するだろうか?」と疑問を投げかける。記事の書き出しでは「アラバマで25人の白人男性共和党員が妊娠全期間における中絶に反対する票を投じた」とさらなる警鐘が鳴らされる。そのとおり。急進的な共和党員が再び前線に躍り出るのだ。人間はみな平等につくられているという信念とともに。


奴隷制という不正義の廃止に向かって票を投じたのは全員白人男性共和党員ではなかったか?

さて、ここでいよいよ、左翼の連中がひっきりなしに利用したがるレイプというおぞましき悲劇の出番である。プランド・ペアレントフッド(Planned Parenthood※巨大中絶クリニックチェーン)が未成年者のレイプ被害の報告を怠ったことなど都合よく忘れていいのである。中絶された少女がレイプによって妊娠したのかどうか、そんなことはどうでもいいのだ。そうではなく、「レイプによる妊娠」が彼らにとって意味をもつのは、その1%にすぎない例外的な中絶理由が、あらゆる中絶を100%正当化するための方便として使えるからなのだ。


その1%が私である。



私の生物学的な母親はレイプされて妊娠したが、中絶という暴力に訴えることを拒んだのだ。私は中絶される代わりに、養子に出され、愛された。Vivian Davis上院議員はレイプによって誕生した私のような人間のことを「レイプ犯の副産物」と言ってのけたが、それは間違いだ。自分がどんな状態で受精するか、それは自分ではどうすることもできないことだ。上院議員さん、あなただってそうだろう?


私の産みの母親が必要としたのは、彼女の人生の助けとなる癒しであって、世の中を煽り立てる宣伝文句ではなかったんだ。

様々な人種からなる15人家族の中で望まれ愛されて育った養子として、そして幸せな結婚をして4人の子どもにめぐまれた養父として、私には、この痛ましい問題には別の側面があると断言することができる。弁護士であり「いのち」のために働く熱い活動家である友人のRebecca Kiesslingをはじめ、私と同じようにレイプという暴力によってこの世に生を受けたひとたちがいる。前ミス・ペンシルベニアのValerie Gattoや、Trayvon CliftonMonica KelseyJim SablePam Stenzelといった人たちの証言は、主要マスメディアの近視眼的な中絶推進一辺倒の偏見とはまったく異なる別の見方を提供する。そして、レイプによって妊娠しながらも勇気をもって「いのち」を選び母となった女性たちがいる。Jennifer ChristieLiz CarlRebekah Bergがそうだ。



私が言いたいのはつまり、いったい本当の「過激論者」は誰なんだ?ということだ。人間には誰しも生きる権利があると考える者たちか? あるいは、アメリカ国内で毎年100万におよぶ無垢な人間の無惨な殺戮を支持する人たちか? Gloria Steinemのような「中絶したよ」Tシャツを着こなし自らの中絶体験を自慢する人たちか? 妊娠させるたびにその男のペニスの一部を切除すべしと仄めかす似非フェミニストの Jill Filipovicのような人たちか? (産まれる前の子どもは糞と大差ないものだから)中絶を拒むことを結腸内視鏡検査を拒むことにたとえたCecile Richards(※前プランド・ペアレントフッド会長)のような人たちか?

レイプと中絶という問題をちゃんと考えてほしい。どうやって暴力による傷をさらなる暴力によって癒すことができるんだ?

現実を見よう。仮にもしアラバマの人命保護法案(Human Life Protection Act)がレイプと近親相姦は例外条項にしていたとしても、支離滅裂な「侍女物語」(※人気テレビドラマ"The Handmaid's Tale")のコスプレイヤーたちは全力で臨戦態勢を敷いたことだろう。似非フェミニストたちは、出鱈目な平等主義を鼓舞するために悲劇を利用する必要がある。彼らの長広舌の中に、実際の犯罪者、つまりレイプ犯を罰しようという話が出てくる余地は絶対になさそうだ。

超党派による部分分娩中絶禁止法案にジョージ・W・ブッシュ大統領がサインしたときのことを憶えているだろう? 2004年のことだ。全米黒人地位向上協会(NAACP)を含む中絶を推進する団体がこぞって首都ワシントンに集結し、「女性の生命のための行進("March for Women's Lives.")」と称する大規模な抗議行動を起こしたことを。「粉砕した小さな頭蓋と胴体を切断し人体を母体から引き離して除去するために子どもを部分的に分娩する必要があるというのに、それを阻止しようなんて真似がよくまあできたものだ」というのが抗議の内容だったわけだ。

歴史に疎いプランド・ペアレントフッド現会長の若き Leana Wen博士は、ツイッター上で次のように述べてしまった。「信じられないことと言うしかないけれど―医療行為として嬰児殺しのようなことがあってはならないし、中絶可能時期を出産直前まで引き上げるということもあってはならない」と。大多数の共和党員と数名の民主党員が票を投じて部分分娩という残虐な嬰児殺しを阻止したことに中絶推進主義者たちが激高しプランド・ペアレントフッドに率いられて「女性の生命のための行進」という抗議行動を起こした15年前のことは、どうやら彼女への引き継ぎメモに書かれていなかったんだろう。

また、ニューヨーク・タイムズによれば、全米中絶事業者連合(National Coalition of Abortion Providers)事務局長Ron Fitzsimmonsは、残忍きわまる生きたままの拡張と排出の手法(またの名を部分分娩中絶)は「日常的に」おこなわれていたことを認めている。

そしてここで、ヴァージニア州知事Ralph Northamのお出ましだ。彼はどのように嬰児殺しがおこなわれていたかを穏やかな口調で説明してくれるのだが、それを聞いていて、まさかGosnellのことを思わないわけにはいかないだろう。赤ちゃんを生きたまま分娩し臍の緒を切って殺すという嬰児殺しをフィラデルフィアで長年にわたって繰り返しおこなっていた中絶医師のことを。ようやく殺人罪が確定し、いま彼は牢獄にいるが。

先ごろニューヨーク州で成立したリプロダクティブ・ヘルス法案が繰り返し強調していたのは、いかなる「健康上の」理由(身体的理由、経済的理由、心理的理由、家庭的理由、さらにはドー対ボルトン判決で明確にされた女性の年齢的理由)であれ、中絶執行者がその理由を認める限りは、出産までの妊娠全期間における中絶が合法になるということだ。どれだけ都合のいい法律なんだ!

バーモント州が成立させたばかりのH57法案は、中絶に対するあらゆる規制を撤廃し、出産までの妊娠全期間中絶を認めることになる。そればかりか、この法律によれば、自為中絶(またの名を「闇中絶」)でも罪に問われないことになってしまう。

似非フェミニズムこそ極限論者である。それは暴力行為のうちに慈悲を見出し、誰かが無理矢理消されようとするときに力を見出し、自分を捨てて身を任せるよう神が計画したところに(自己中心的な)自律性を見出すのだ。

私は、いつでも邪魔者にされ不当に扱われる1%の人間である。しかし私は、われわれはみな平等でそれぞれの生がどのように始まったかに関係なく一人ひとりがかけがえのない価値をもつという急進的な思想を共有しながら「勇気」と「慈しみ」をもって「いのち」のために声をあげる者たちから成る、それよりはるかに大きな共同体の一員なのである。

(2019年5月20日 Radiance Foundation



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